2013/09/12

県南地区の問題を考える③~教育~H25学力テストの結果について

久しぶりのブログを書きます。今後、毎月各テーマごとに2回ほど更新していきます。
9月は、教育についてです。

 9・11は小生にとっても忘れられない出来事です。ちょうどそのときは、アメリカのボストンにいて
学生生活をしていましたが、「テロとの戦い」と称しテロを根絶するために、その後アメリカはテロ組織であるアルカイダを支援していたアフガンのタリバン政権を打倒するなどし、またイラクを含め軍事介入してきましたがことごとく失敗しています。

 オバマ大統領のシリアへの軍事介入は、アメリカ国民も懐疑的になってきているのも、先の介入でアメリカ兵の犠牲の数多さなどを含めて大きな代償まで払って、他国のことに介入すべきかなどアメリカ外交の転換期が来ていると思います。


埼玉県の学力テスト公表。算数・数学全国平均下回る!、さいたま市はすべて全国平均越え!

 今年の4月に実施された「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果について、8月27日、文部科学省をはじめ、埼玉県教育委員会でも発表をしました。
また、翌日の28日にはさいたま市の教育委員会は同テストの結果を発表しました。この結果を踏まえ、埼玉県では、「現行の埼玉県教育振興基本計画『生きる力と絆の埼玉教育プラン』の計画期間が平成25年度までであることから、教育基本法の規定に基づき、次期埼玉県教育振興基本計画を策定します。策定にあたっては、教育を取り巻く社会状況や、埼玉県5か年計画、現行計画の進捗状況などを踏まえるとともに、国の第2期教育振興基本計画を参酌し、中長期的な視点から、次の5年間(平成26年度~平成30年度)で取り組むべき施策を体系的に明らかにします。平成25年度中の策定を目指し、平成24年9月から策定検討会議を開催し、策定作業に取り組んでいます。平成25年度は計画の検討を重ね、大綱を公表し、県民コメントを実施した上で、計画案を県議会へ提案する予定です。」と、県の教育指針である第2期埼玉県教育振興基本計画大綱のパ
ブリックコメントを10月2日まで実施するとしています。
           

                     















         平成25年度全国学力テスト結果     
   中学校                    小学校

 

















 学力はあくまでも学力であり、学力が児童・生徒の努力の総合評価ではないということは言うまでもありません。

 しかし、学力を総合評価の中の一部として捉え、そしてこの「学力テスト」はそのモノサシとして考えるのが自然です。
 さて、この全国学力テストは、今年の4月に実施されたもので、平成25年度からは全体調査に戻り、県内の公立小中学校1,248校の児童と生徒約12万3300人が受けました。
 今回の県が公表した学力テスト結果では、県内の各教科の平均正答率が、算数・数学のA<知識>B<活用>に関する問題で、全国平均を下回り、最大で1.8ポイントのマイナスとなっています。
 また、中学校については関東1都6県中で最下位、小学校では首都圏1都3県で最下位という記録となっており、特に数学については、全国平均を大幅に下回るなど今後の課題が残る結果と言えます。

 ちなみに、埼玉県の公立高校入試の数学の問題は全国でも指折りの難問が出題されていますが、この結果からすると実態を踏まえ、出題内容について再考する必要があるのではないかと感じます。
  
 少々気になりますのは、第2期埼玉県教育振興基本計画大綱(下記)の本県の現状と課題についての表現で、「本県の小・中学生の学力は、全国学力・学習状況調査( 平成2 5 年度)の結果によると、全国平均とほぼ同じレベルですが、知識や技能の定着に課題のある内容が一部に見られるほか、学んだ知識や技能を活用する力の育成に一層取り組む必要があります。」とあります。

 しかし、本当に県平均の実態は全国平均とほほ同じレベルなのかという疑問です。
 
 

 これは、表面の数字が示すようにさいたま市の結果は、全国平均をより大幅に上回るなどからして、埼玉県全体の平均を押し上げていることがわかり、さいたま市以外の自治体の平均点を推測すると、数学や算数だけでなく国語についても全国平均を下回っているのではないかということも推察できます。

 いわゆる、県内の中で文教都市と言われるさいたま市は習熟度別学習が効果的で、結果として県内の自治体間で学力格差が生じているのではないかという事です。
 
 

 小生は、さいたま市が今回公表されたように、他の県内の自治体も結果について公表すべきと思います。弱点の克服をしない限り、最近職業柄よく耳にすることですが、公立学校は学力が低調なので子どもを通わせたくない、電車で近い都県内の私立学校に通わせるという風潮が強まり、公立と私立学校との間では生徒の学力格差が広がっていきます。
 よって、県内の児童・生徒の学力を全体として上げ、その基礎的な知識を身につけ、それを活用、また創造できる人に成長していけるようなプログラム、また習熟度別学習の徹底など県は教育内容を工夫していく必要があると思います。
 

 また、さいたま市の国語の平均点が高い一つの理由には、市内公立小中学校内の図書室に専任の司書が常駐するなどして、読書だけでなく図書室の利用の仕方に対してもボランティア任せでなく、お金をかけているが挙げられます。読書は、国語において読解力を身に着ける一番の近道であります。米国の公教育では、図書室が充実しています。
 
 

 これについては、公立小中学校において読解力の向上に向け、図書室の充実と活用のために、学校に専任司書を置くべきであり、県は予算面で各自治体にその設置費用である程度の補助をすべきと考えます。