2011/06/21

川口市自治体独自で年間の放射線量の被曝限度を1・64ミリシーベルトとする暫定基準値を決定

 6月20日川口市の岡村市長は、全国の自治体でも珍しく
年間の放射線量の被曝限度を1・64ミリシーベルト
0.31マイクロシーベルト/アワー)とする暫定基準値を市独自
の基準として決定しました。

 市当局では、「現在、放射線低線量での被曝について、国の
統一的な基準のもとで対策が講じられていません。

 こうしたことから、市民、とりわけ幼児、児童・生徒を持つ
保護者のみなさんの不安に対応するために、年間の放射線
低線量の被曝限度数値を、国の統一的な対応が図られるまで
の暫定値として、1.64ミリシーベルトと定めたものです。

 基準を超えた場合は、屋外の保育・授業時間を制限する
とともに、保護者のみなさんへご連絡し、日常生活での健康
影響の低減に役立てていただきます。 」とウェブサイトで
公表しています。

 市独自で設定した基準値を越えた場合の対応として、

1時間あたり0.31マイクロシーベルトの基準値を越えた場合

 ⇒保育所・幼稚園・小中学校の屋外の保育・授業時間を
  3時間以内とする。

1時間あたり0.38マイクロシーベルトを超えた場合、

 ⇒屋外の保育、授業時間を2時間以内とする。

 というもので、以上のケースになった場合、
保護者へ連絡するというものです。

基準とする時間数値への換算について
 (市のウェブサイトから)


時間当たりの基準値を0.31マイクロシーベルトとします。

  これは、

  1. 1年を365日とします。
  2. 1日24時間の生活を、屋外8時間、屋内16時間とします。
  3. 屋内は、屋外の数値に0.4を乗じた値とします。

  年間1.64ミリシーベルトをもとに、こうして1時間当たりの
 数値を計算した結果です。


 コメント:気になりますのが、測定結果がタイム-に公表され、
      基準値越えの場合の対応が即座にできるのかという
      ことです。
       
       これまでの対応を見ますと、測定とその結果が
      公表されるまでには、2日~3日ほどのタイムラグが
      生じており、この点についても市当局は説明すべき
      と考えます。

       また、川口市の場合も保護者からの要望が多い、
      空間放射線量測定だけでなく地表からの測定も
      実施すべきと考えます。
       
       さらに、このような測定では国の明確な基準が
      示されていない中、埼玉県の自治体間では測定
      方法にばらつきがでてきています。一自治体で
      決めるのには限度がある中で、やはりこういう時
      こそ、県による各自治体の取りまとめとしての
      役割を果たしてもらいたいものです。
      

2011/06/04

速報!放射線量 測定結果

 久々のブログを更新します。

 しらねは現在、代議士秘書としても現在活動をさせて
頂いております。

 最近ご相談で、川口市・鳩ヶ谷市内でも子どもの安心
・安全のためにも学校や保育園などの庭に地表からの
放射線量の測定をして欲しいとの要望を数多く頂きました。

 ただ、数値が公表されたとしてもどの程度が安全なのか
イマイチはっきりしません。

 そこで今回、中部大学の武田邦彦教授のブログ
参考させて頂きまとめてみました。

Q.1年間に1ミリシーベルトという数字の意味は?

Ans. この数字は国際委員会や日本の法律等で
   定められているもので、また1年間で人体に
   照射された場合のトータルの値を意味し、
   自然放射線(約2.4ミリシーベルト)やX線検査
   などでの医療被曝は除いたもの。

ブログから引用:
この数字を少し超す場所(5ミリ)は『管理区域』という
名前で普通のところ特別されて標識が立ち、そこに人が
入ってはいけないというわけではないのですが、被曝
する放射線量を測り、健康診断をするという必要が
生じてきます。つまり絶対に病気になるということは
ないけれども、注意をしなければならないということを
意味しています。」

⇒つまり、同氏によると、「『1年に1ミリ』であり、それ
  以下なら『安心』、それ以上なら『注意』とはっきりと
  意識したほうがいい
」と述べています。

Q. 1時間に0.6マイクロシーベルトという数字の意味は?

Ans. 「管理区域は1時間あたり0.6マイクロですから、
現在、福島県東部(郡山を含み、会津若松を除く)、
茨城県北部などは確実にこの管理区域に入ります。
従って、政府のいうように直ちに健康に影響はあり
ませんが、やはり被爆する線量を測定したり、健康
診断をして注意をするという必要があるところです。
 また、教育委員会や市役所等は、政府がいくら安全
だと言っても、政府と独立しているのですから、法律的
に管理区域に指定しなければならない状態のときには
法律に従う必要があるとわたくしは考えています。
 具体的には、1時間に0.6マイクロを越えるところは、
学校でも市の一部でも責任者が『管理区域』に設定
するべきです。

 ちなみに、通常は0.1マイクロシーベルト以下が
望ましい
と同氏は述べています。

 さて、川口市では放射線量の測定器納入後、市内の
小中高等学校、幼保育園、公園等の168箇所を対象
に定期的に計測し、ウェブサイトで公表するとのことです。
 

 一方、埼玉県でも現在さいたま市内を対象に1時間毎
に空間(4階建の建物(さいたま市桜区)の屋上に設置
したモニタリングポストで事故以前から継続して計測)の
放射線量を計測し公表しております。以下のとおりです。

◯6月8日 17時までの1時間の空間放射線量:

  0.052μSv(マイクロシーベルト) 
 

 なお、3月12日から5月31日(81日間)までの
積算値は128μSv (ミリシーベルトでは0.128mSv)

です。

5月の平均値(0.055μSv/h)で経過した場合の1年
(365日)分は503μSv(0.503mSv)になります。   

〇参考:事故前の1年分(21年4月~22年3月)の
     空間放射線量:295μSv(0.295mSv)
 

 今後、定期的にこの情報は更新してまいります。


    川口市の放射線の測定結果について
川口市役所ウェブサイトから

 川口市では専門業者に委託して、平成23年5月
31日(火)に市内の10カ所で大気中の放射線量
測定を行いました。

 今回の測定値は、1時間単位を測定し、年間の
換算値を試算したものです。
 全ての年間換算値は、国際放射線防護委員会が
定める1年間に浴びる放射線の基準(1mSv/年)以下
でしたので、安全が確認されました。
 
   

        表1 測定結果と年間換算値

測定地点   測定値(μSv/h)     年間換算値(mSv/年)
 (所在地)         
      5cm 50cm 100cm  5cm 50cm 100cm
1 神根運動場 0.09 0.09 0.08    0.47 0.47 0.42
(神戸767-1)  

2 芝児童交通  0.13 0.14 0.13   0.68 0.74 0.68
 公園(芝下1-11-24)

3 川口総合  0.09 0.09 0.08   0.47 0.47 0.42
 高校(上青木3-1-40)

4 中青木公園 0.12 0.11 0.09   0.63 0.58 0.47
 (中青木3-10)

5 西中学校  0.09 0.12 0.10   0.47 0.63 0.53 
(宮町16-1)

6 本町小学校 0.16 0.14 0.14   0.84 0.74 0.74
(本町2-4-6)

7 新井町公園
(新井町15)  0.13 0.14 0.13   0.68 0.74 0.68

8 安行スポーツ0.11 0.11 0.10   0.58 0.58 0.53
 センター(安行領家880)

9 新郷小学校
(東本郷1313) 0.11 0.09 0.09   0.58 0.47 0.47

10 戸塚榎戸 0.14 0.14 0.13   0.74 0.74 0.68
  公園(東川口3-11)

 
計算式:
(測定値×8時間(屋外)+測定値×0.4(屋内換算)×
16時間)×365日÷1000(単位をミリへ直す為)=
年間換算値(mSv/年)

計算例:神根運動場 地上5cmの場合
(0.09×8+0.09×0.4×16)×365÷
 1000≒0.47(mSv/年)

測定業者:株式会社 日本環境調査研究所
測定器:日立アロカメディカル社製 TCS‐171
(エネルギー補償タイプ シンチレーションサーベイ
 メーター)
天候:晴れ 温度17.7度 湿度56% 
   南東の風2.0m