2011/08/01

上田埼玉県知事再選も 歴代知事選で最低の投票率となる現象

  当日有権者数  投票者数   投票率

男 2,893,562人 732,289人  25.31% 

女 2,885,482人 706,178人  24.47%

計 5,779,044人 14,387,467人 24.89%

得票順 候補者名   党派 現・新 得票(得票率)

✔1 上田 きよし 無所属 現 1,191,071票(84.3%)
 
 2 原富 さとる 無所属 新 171,750票(12.2%)

 3 たけだ のぶひろ 無所属 新 50,252票(3.6%)

 埼玉県知事選挙が7月31日(日)に行われ、同日
即日開票の結果、以上のとおり上田清埼玉県
現職知事が3期目の当選を果たしました。

 今回の埼玉県知事選挙の注目は、47の都道府県

知事選挙の投票率中、過去史上3番目に低い
投票率27.67%であった前回の知事選挙の投票率を
超えられるか、また史上最低であった1981年の
千葉県知事選挙の投票率25.38%を塗り替えて
しまうのかという、政策論争というより知事
選挙自体そのものが問題となりました。 

 投票率アップに向けた県の取組みとしてはまず、
最後の夏休みの休日により低投票率を何として
でも回避したく、投票日を1ヶ月ほど前倒しを
したことであります。

 また、投票率アップに向けた啓発事業では、
今回県の予算額で約6800万円と、啓発事業
自体が国の事業仕分けでも費用対効果の点で
指摘されていたことからか、または近年の財政
状況を考慮してか、前回の知事選よりもおよそ
500万円も減額となりました。
 


 ただ、県選挙管理委員会では、投票率が極端
に低い若年層にターゲットに絞った啓発を推進し、
県内の大学生から15秒間のCMシナリオを
募集し、作品を映像化にし、テレビCMに使って
いるほか、動画等をインターネット配信する
You Tube」などで投票の呼び掛けをする新たな
試みを始めたところでした。

 というのも、前回の県全体の投票率である

27.6%のうち、特に20代の投票率が15%を
下回る結果になるなど、若者の低投票率が全体の
投票率を押し下げていることへの危機感もあり、
若者が頻繁に利用するインターネットを使った
メディア戦略で投票率のアップを図ったところ
であります。

 一方、県政の状況を見ますと、県議会(定数94

名)で単独過半数(55名)を占めているのが自民党
であります。他、14名の民主党などをはじめ1ケタ
台の会派等で構成されています。うち、2名の共産
党県議団が今回、原富氏を推薦し、非共産系の
オール与党が上田知事を応援する巨大相乗り選挙
という構図となりました。
 
 

 有権者は、首長と地方議会の関係はチェック
アンドバランスであると、中学校の公民、また
高校の政治・経済の授業で学習させられてきて、
首長に対峙できる各政党の議員を選挙で選んだ
にも関わらず、実態は首長の選挙応援にオール
与党の県議会議員が集まるという“馴れ合い”の
構図では、有権者も関心がいま一つ盛り上がらず、
結果的に低投票率につながってしまった要因が
考えられます。

 さて、今回の埼玉県全体の投票率は、

24.89%(前回は27.67%)と過去の都道府県知事
選挙における史上最低の投票率を更新してしまい
ました。また、川口市では21.29%(前回は
22.40%)とこちらは県内で2番目に低い投票率と
なってしまいました。ちなみに最低は、三郷市の
20.06%です。ただ、期日前投票では前回の選挙
よりも増加したため、全体の投票率アップが
予想されていただけに期待はずれの結果となり
ました。

 啓発活動も確かに投票率を上げる点では大事

ですが、有権者の関心を引き付ける地方政治の
あり方、特に首長と議会のチェックアンド
バランスの関係を踏まえ、それぞれの役割を
十分果たす議会を真剣に考えなければ、県(政)
のあり方そのものの意義も問われてしまう
のではないでしょうか。

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