2013/04/01

「TOEFL」○、「TOEIC」?日本のガラパゴス化からの打破を!②TOEFLがすべてではないがベターなのでは。

 
 本日から、新年度です。統一地方選挙まで、丁度折り返しの年となりました。
今、教育業界に身を置く小生でありますが、出来る限り皆さんに発信していければと考えて
います。よろしくお願いします。

前回からの続き。

 さて、世界の中で低迷する日本の外国語スキルの向上の一つの方策として、「TOEFL」の
活用を挙げています。

TOEFLとは、読む・聞く・話す・書くを組み合わせたもっとも包括的に英語能力を測るテストです。
また、テスト開発会社であるETS<(参考)http://www.ets.org/toefl/institutions/about>では、「TOEFL」は英語能力の測定、大学入試奨学金候補者の選定などの基準として様々なシーンで
全世界において利用されていると説明をしています。

 しかし、日本では、以前から海外留学は「TOEFL」、ビジネスは「TOEIC」という英語スキルを
測るテストの棲み分け?をしていたかのようにも見えてしまいます。

 ただ、大学入試においては以下の表を参考にすると、どちらかというと高等教育で必要とされる英語能力を測るテストである「TOEFL」よりビジネス英語能力を測るテストである「TOEIC」を活用
している大学の方が多いなど日本では「TOEIC」を重視していることがわかります。


 
                                
                            





                               
←出典:「2012年度入学試験・単位認定におけるTOEIC®テスト活用状況」        ↑出典:「CICE TOEFL iBTスコア利用実態 調査報告書 2012年版」

 また、受験者数でみるとETSによると、「TOEFL」は世界約180か国で実施し、年間で100万人
の受験者があり、日本の受験者数については数値が公表されていませんが、2011年度の発表
では過去最高記録を更新したということからすると、推定約10~15万人の受験者がいるものと
思われます。
 一方、「TOEIC」は、世界約120か国で実施し、年間600万人が受験し、そのうち日本の受験者数は、約227万人ということでこちらも過去最高の記録を更新した発表しています。

 ここで、注目していただきたいのは「TOEIC」の全受験者数のうち日本人受験者数の占める割合が約38%と非常に高いことがわかります。2010年の韓国受験者数の約220万人を考慮すると、「TOEIC」の全受験者数の実に約75%が日韓両国の受験者数で占めるいることがわかっています。世界約120か国で実施されているテストがなんと2か国で3/4を占める受験者数を誇るテストというのはどうかと思うのは小生だけでしょうか。

 また、日本の企業内で行っている「TOEIC」というのは、ペーパーベイストテストで「Reading」と「Listing」重視型で行われています。近年では、「TOEIC SW」というこれまでの形式に加えて
ビジネス英語に必要でありながら日本人が比較的に弱いとされる「Speaking」と「Writing」の形式
がようやく加わりました。しかし、ETSの発表では、2011年度で約1万700人の「TOEIC SW」形式
採用の受験者しかおらず、日本の英語能力を正しく反映されているとは決して言えないテスト
形式を日本企業や学術機関等は採用しているのです。
 しかも、米国大学卒業生(もちろんTOEFLを大学入学選考の一部として利用)に日本の企業
は「TOEIC」(しかも、SpeakingやWritingはありません)を受けさせようとするのか、本当に不可
思議でありました。留学経験がある方の多くは、そう感じています。グローバル企業と言われて
いるけれどといった感じです・・・。
 では、そもそも日本ではなぜ「TOEFL」をあまり採用してこなかった背景を、田村耕太郎元
参議議員の「アゴラ」の記事で述べています。ここでは述べませんが実に興味深い内容です。
               検索☞アゴラ・TOEFL
 終わりに、海外のMBAなどに留学する場合は結局「TOEFL」を必要とするのにもかかわらず、
日本の大学やグローバル企業といわれる多くは今でも「TOEIC」を重視し活用したり、本当に
意味不明なことをやっていたりと、中国や韓国に英語教育に後れをとっていることを改めて
認識していただきたいと思います。(あとICT教育も)
 ガラパゴス化した日本の英語(教育)改革<2か国で3/4の受験者数を占めるTOEICではなく
世界標準のTOEFLの活用>は、政府が今から実施するグローバル人材育成のアクションプラン
を起爆剤にして、技術立国日本を再生するためにも大胆に断行すべきと考えます。

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