2008/02/15

公会計改革のポイント

 先月の22日(火)に民主党埼玉県連による政策研修会が開かれ、
各自治体(市区町村も含む)において今後2年以内に公会計改革の
制度整備と財務諸表<4表>を市民の方に公表しなければならなく、
それの対応とポイントを研修してきました。
 まず、今回の公会計改革では2007年(昨年)の5月18日に突然、
「新地方公会計制度研究会」の報告書が発表され、続いて8月31日
には地方行革新指針の中で、公会計改革が取り上げられ、上記でも
述べました財務諸表<4表>を市民に公表しなければならないという
ことになっています。ただ、法律では決めていないことなどを考えると
すべての自治体が統一してできるかなどの混乱が予想されます。
また、各自治体では2008年度決算の数字を元に2009年度中に
4表を作成することが求められています。
 では、上記の4表とはどういうものなのでしょうか?

①貸借対照表(BS)
②行政コスト計算書
③キャッシュフロー計算書
④純資産変動計算書


 まず、①ですが地方公共団体がどのくらいの有形・無形の資産や
債務を有するのかについて示したものです。今回の研修の講師で
あった、(財)地方自治総合研究所の菅原敏夫氏からのポイントでは
“公共資産を、「将来の経済的便益の流入が見込まれる資産(e.g.
有料道路)」、「経済的便益の見込まれないものの、行政サービス提供
に必要な資産(e.g.庁舎)」、「売却可能な資産(e.g.土地開発公社が
保有している)」に区分し、その保有状況を開示すること”である。
また、地方公共団体財政健全化法で今回はじめて登場した将来負担
比率*1の算定については、連結貸借対照表の注記等を活用し、BSに
表示される数値も引用しながら説明することが望ましいということでした。

*1公営企業、出資法人等を含めた普通会計の実質的負債の標準財政規模に
対する比率のこと。たとえば、退職金引当金や3セクの損失補償等。ただ、
なぜか公営の地下鉄は含まれない。

 続いて②では、“地方公共団体の経常的な活動に伴うコストと使用料
・手数料等の収入を示すもの”とあります。人件費、物件にかかるコスト
が示され、住民への説明がしやすくなります。
 ③は、現金の流れの“収支を性質に応じて、経常収支、公共資産整備
収支、投資・財務的収支などと区別して表示することで、地方公共団体
のどのような活動に資金が必要とされているかを説明できる”とのこと
でした。また、基礎的財政収支も説明できるようになります。
 最後に④ですが、地方公共団体の純資産、つまり資産-負債=残余
部分で、一会計期間にどれだけ増減したかを表します。何が原因で、
純資産が増減したかがわかることが特長です。
 以上は、一般的なことですが本市、川口市の対応は、財政課に問い
合わせたところ、「2008年度分から出します」との回答でした。ただ、
他の自治体の動向も注視してみるとのことでした。  
 さらに、上記の財務書類の様式で現在話し合われているのは、

 ・基準モデル
 ・総務省方式改定モデル

 ・東京都モデル等の第3モデル

があるわけですが、おおきな違いは財務数値の差異があるということ
です。ただ、その数値に関して注釈をつけることが大事になるということ
です。現在、自治体で利用されている標準的な決算方式は、単式簿記
決算の数字を組み替えて財務諸表を作る方式です。これまでの総務省
方式を踏襲しており、基準モデル方式より簡素化して作成できます。
ただし、伝票を起こした時点で複式簿記の作成に必要な情報入力を
行わないため、どんな支出の結果どの資産が増えたかということを完全
に把握することはできないなどの欠点があります。(わかりやすく言うと、
“夏休み絵日記”方式で、3月31日までに数字が合えば良いということで、
それまで溜め込んでしまってもOKということです) また資産評価では、
個別の資産でなく、生活インフラ、消防など科目単位で行います。
 一方、基準モデルでは、1件の支出や収入があるごとに、複式簿記に
なっているということです。予算から決算まで連動しており、1枚の伝票
までさかのぼって検証できることが特長です。また資産評価は、資産1つ
1つに対して実施する。損失が生じた場合にその原因を伝票のレベル
まで追求できるなど、会計制度的により優れた方式であることは間違い
ないが、起票する際に入力する項目が増えるなど自治体側の負担も
大きくなります。ただ、講師の説明では人口3万人くらいの規模だと
良いとのことでした。
 最後に、東京都モデル等の第3モデルとは、東京都は独自の様式を
NTTデータと共同開発したソフトがありこれを採用するもので、現在
無償で他の自治体に配布しています。また、第3モデルは、上記の
方式を修正した後の新たなモデルとして考えられそうです。
 川口市では、「他の自治体の様子を見て、多くが採用している方式に
合わせます」との回答でしたので、総務省方式改定モデルを採用する
と実質的に認めた格好で、今2008年度予算ではシステム改修費を
含む420万を計上する予定との事です。
 しらね自身は、東京都等の第3モデルがいいのではと感じます。
ソフトを無償提供してくれるなど、一番近い都市に合わせれば、比較も
しやすいのではと感じるからです。さらに気になりますのが、総務省方式
改定モデルでは“夏休み絵日記”方式のため今までの様式とほとんど
変化がなく「どのポイントを改革したのか」が分からずじまいになってしまい
ます。何れにしろ、今後もこの動向に注目しレポートしていきます。

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