昨日と本日の新聞報道によると、埼玉県は
埼玉高速鉄道(株)<SR>へ今後10年間をめどに、
埼玉県と沿線3市(川口、鳩ヶ谷、さいたま市)で直接
貸付(10年間で、県:約232億円、3市合計:約116億円
<内、川口市分は70億円>、合計:約348億円)を
行う予定であるとのことです。
川口市の岡村市長も、やむを得ない措置としてこの
方向に同意すると思われます。
このことについて、行政側(都市交通)とのヒアリング
した結果、自分なりの考えを雑駁ながらまとめてみま
した。
第3セクターであるSRへこれまでの財政的支援は、
平成15年から21年度(7年間で)、川口市分では、
出資金額が約46億円と補助金額が約15億円を負担
していました。平成21年度の決算見込みで、償却前
損益が前年度と同様に黒字になる見通しで、単年度
でみると現下の不況で他の鉄道会社でも厳しい決算
の見通しがある中では決して悪い状況ではないと
考えます。
ただ、SRの最大の問題は、多額の有利子負債
(約1428億円平成21年3月現在)を現在も抱え
ており、資本費を圧迫させていることです。また、
平成21年度までは、各自治体が補助金という形で支援
をしてきて、これは主に鉄道建設費(主に鳩ヶ谷駅以北)
の利息分に充てていたため、平成22年度以降では、
償却前黒字の達成により、この補助金的支援がなく
なります。
これに対して、補助金ではなくこれら関係自治体が、
SRへの安定的な運営を期待し、同社へ貸付を今後10
年間行うというもので支援するということです。
つまり、SRは単年度みていくと多少なりとも黒字傾向に
あるが、有利子負債(借金)の利息払いが多すぎるため、
経営が圧迫されている状態である。ただ、将来に対して
の発展(SRの増収益)を見込んで関係自治体が投資を
することと、市民への安定的公共交通輸送を提供できる
ようにするため支援をする、ということではないでしょうか。
今後、SR最大の株主である埼玉県の方針に従い、
川口市でも3月議会でSRへの出資金平成22年度
負担分約8億円をめぐって審議をします。問題は、
行政がSRという半民間会社だけにこのような多額の
出資金(公的な資金、税金)を拠出することに対して、
市民からの理解が得られるのかということです。
ただ、SRがなくなってしまっては、そちらの方が代償
ただ、SRがなくなってしまっては、そちらの方が代償
は大きいものと考えますので、沿線開発により、SR駅
周辺を活性化させて、経営を安定化させるため将来
への投資と考え支援をしなければならないと思います。
また、東京メトロとのさまざまな面でのタイアップ
また、東京メトロとのさまざまな面でのタイアップ
(駅チカ、区間限定割引運賃制度<値下げ>などを
提案)をして、東京、横浜からヒトの往来を考え利用
促進を真剣にしなければSRの今後はないと言っても
過言ではないと思います。