2010/01/13

「川口市中小企業活性化推進条例」(案)勉強会


 先月の12月議会に「川口市中小企業活性化推進条例」
(案)が議員提案として提出されました。しかし、議員
運営委員会の中で原案を修正し審議をしましたが、
自民党会派以外の会派からは、慎重審議を求められ、
12月議会での条例案の議決を断念し、「市内中小企業
活性化を推進し市民生活の安定で市政の発展を促す
決議」を採択しました。この決議に伴い、各会派から2名
(経済・文教常任委員会委員ともう1名)を集い、3月議会
同条例案の議決に向けて勉強会を1月12日(火)から
スタートさせました。
 民主党会派からは、唐澤議員としらねが勉強会に参加

しました。
ポイントは以下の通り。
なお、各会派のコメントは
しらねのメモをもとにして作成しましたので、多少
言葉のニュアンスの違いがあることはご了承ください。

◎理念条例(自民)vs.実務条例(民主、共産)公明?

・本市の中小企業(中小企業基本法第2条によるも

 ので、 たとえば製造業その他で資本金3億円以下
 従業員300人以下など)を取り巻く環境は、現下の
 不況で大変厳しいもので、中小企業の街川口では、
 市(民)を挙げて中小企業の活性化を推進するように
 するためにも、各主体の役割と基本的理念を定めた
 条例を議員立法でもつくる必要がある。
 よって各会派共通の賛成意見として、 「川口市中小
 企業活性化推進条例」(案)* <☞下記に「目的」案を
 掲載>を制定させることである。
ただ、今回の勉強会では条例の形態が各会派で議論

なった。 ちなみに、川口市議会初の議員立法である。

<自民党>
-まず、理念条例を何が何でも3月議会までには議決を

 したい。
 この理念条例は、後に行政がつくる実務条例の

 “呼び水” みたいなものである。
-後に続く実務条例案等を自民党は、現在までに考えて

 はいない。
-上記の図表が示す通り、地方自治法により議員が制定
 できる条例議案は、 予算執行を伴わないものである
 ので、理念条例をつくるのである。

<民主党>
-条例の実効性が担保されなければ意味がない

 ので、墨田区や神奈川県などの条例制定の
 ように、実態調査を把握するためにも十分時間
 をかけて、実務的な条例を制定すべきである
-自民党が言うような、予算執行を伴う条例議案は議員

 側から提案できないから理念条例をつくるという事で
 なく、(神奈川県議会などの議員提案をした)条例内に
 「財政上の措置」という形で規定できた実例もある。

<公明党>
-実効性が担保されれば、理念条例だろうが実務的

 (具体的)条例でもどちらでも良い。

<共産党>
-議員が調査できている中小企業者の声は一部であり、

 時間をかけずにあたかも中小企業の全体の意見を
 反映したかのように議員が条例を策定するのは、民
 主主義の性質にそぐわないので、 自治基本条例策定
 のように関係者や市民を巻き込んだ形で時間をかけて
 (実務的な)条例を制定すべきである。


川口市中小企業活性化推進条例(案) 1月12日現在:

(目的)
第1条 この条例は、本市における中小企業者の果たす

役割の重要性にかんがみ、中小企業者の事業活動の
活性化の推進に関し、基本的理念を定めるととともに、
市、中小企業者、関係団体及び市民の役割を明らかに
することにより、中小企業者が製造または販売する
物品、中小企業者が提供するサービス及び中小企業者
が行う工事等(以下「中小企業製品等」という。)に
対する需要の増進を図り、中小企業者の事業活動の
活性化を促し、もって地域産業の振興及び市民生活の
向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 <省略>
(基本理念)
第3条 <省略>

 ←市、関係団体及び市民、中小企業者による
   役割と連携強化に向けての努力規定が
   述べられている
(市の役割)、(中小企業者の役割)、(関係団体の

役割)、 (市民の役割)
第4条 ~第7条 <省略>
附則
この条例は、平成22年4月1日から施行する

コメント:
大都市では初めて(1979年)中小企業振興条例を制定

した墨田区の担当課長からの条例制定プロセスに
ついてのコメントで、墨田区では制定前年に「中小零細
企業振興基本条例(案)」の議員提案(理念条例)が
あったが、実効性のあるものにしていこう(実務条例)と
いう方針になり、翌年に行政側から振興条例を議会に
提案され議決されたとのことです。ただ、議員提案が
された時でも、 条例提案する前1年間約9,000件にも
及ぶ製造業の実態調査を行うなど、どの産業が疲弊
しているのかなど十分な調査と分析を行った上で理念
条例を提案したとの事です。
 行政側からの新たに提出された条例ポイントは、
「中小企業の振興施策の大綱を示し、…具体的にその
内容を担保するために、区長の責務(財政的措置等)
各主体者の努力・協力を明示したとで、条例の趣旨
実現させて」いることです。
 よって、やはり実効性があるものにするためにも、

実態調査・分析を行った上で条例を制定すべきと
考えます。

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